water_sky’s waterbound diary

酒に溶かしたやり場のなさと打ち明けられた愛のあいだ、泥の川とディラックの海のあいだ

ふたたび那須の桜[那須塩原市]

 先日桜を求めて那須へ行き、あらためてその素晴らしさに触れた。那須って、僕が思っていたよりもはるかに美しい場所なんだ。それが、ふたたび那須を訪れた僕の率直な思いだ。「そうだよ」とツッコミを入れられるのを辞退するくらい、はっきり言ってバカ丸出しである。まあそれは仕方ない、誰しも個人的な抑圧なり臆見なりを持っているものだ。その病理に個性が宿っているともいえる。僕はいま、とても心地よい気分でこの文章を書き、那須の思い出に浸っている。チーズガーデンのラングドシャを齧りながら(しかも自分で買ってきたんじゃなくてもらい物の)。

 先日行った時(那須の桜[那須塩原市] - water_sky’s waterbound diary)は、"平成最後の寒波"がやって来る直前に訪れた。そしてそれがやって来て去った後、遠くから眺めた那須の山には、白い爪あとがくっきりと残されていた。これはふたたび行かなきゃな、と僕は確信した。天気が下り坂に転ずる直前の一日、その日は快晴になるはずだった。

 

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 素晴らしい、文句のつけようがない。

 そんな気分で、那須の地をぐるぐる回った。どこからでも山を見た、そのたびに新鮮な驚きに胸を打たれた。それまで抱えていた憂鬱な気分が一挙に晴れ、体が軽くなった。30も半ばを過ぎ、遅まきながら人生の辛酸について胃の底にああこれか。と少しは理解を深めた日々にあって、久々の痛快なひとときだった。

 写真を見ていただければ分かるように、桜のタイミングは残念ながらジャストではない(現地にいた時にはそんなことは問題ではないのだが)。これは来年また来いよ、と那須が粋な計らいをしてくれたものと思っている。予報に遅れること半日、皐月賞には間に合わなかったがようやく降り出したのは花散らしの雨かな、と少し残念な気持ちはあるのだけれど、また来年に向けて楽しみができた。

 皐月賞を勝った○サートゥルナーリア(◎ファンタジスト▲ヴェロックス)の鞍上ルメールが「100パーセントのデキではなかった」と言ったように、この日の那須の桜もデキとしては80パーセントといったところ。僕にとっての那須ダービーは、これから1年かけてじっくりと、100パーセントの仕上げを狙っているのだ。そのとき僕は37歳の春を迎えることになる。微妙な年齢だ。

 

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 桜のピークに訪れるって、結構難しいですよね。休みの都合上、今年は福島の桜を見に行くのは難しいかなーと思っているのですが、諦めちゃダメだ!と奮い立たせるために、福島の桜を巡っていた時に聴いていたダニー・ハサウェイを。わざわざリンクを貼るのもためらわれるほど超がつく名盤ですが、これを聴きながら三春の町を漫然と過ぎていく幸福感は、放射能が福島にミソをつけて久しい現在でも、いやだからこそひときわ輝いています。今年の福島の各桜、例年と比べても若干遅いくらいの開花状況となっているようですが、いいじゃないですか。大型連休があるんだから、いっそのことそれまで先延ばしにすればいい。少なくとも越代の桜(越代の桜[古殿町大久田] - water_sky’s waterbound diary)は間違いない。What's goin' on? 平成が終るってよ。令和最初の桜だよ。