どうも。そろそろ生成AIに仕事をぜんぶ奪われてしまうんじゃないかと戦々恐々としているが、実は全然関係なくてただ単に仕事ができないだけであることに未だ気づこうとせず日がな一日部屋にこもってAIと楽しいおしゃべりを繰返しています。誰でもできる簡単な仕事で腹いっぱい飯を食えるのがよい社会…
それにしても、イラン情勢は先が見えませんで、これを書いている3月下旬において、未だもって原油もこの先どうなるか全く不透明です。昔、ガソリン価格が160円に達した時に「湧き水汲みになんて気軽に行けなくなっちゃったよ」なんて笑いながら言っていましたが、いよいよ冗談ではなくなってしまいました。湧き水どころかそもそも車が動かせなくなってしまうかもしれない。ガソリンのみならず社会を支えてきたあらゆる生活インフラが一斉に停止してしまうリスクが顕在化してしまいました。だからこそ、歩いて行ける距離に水が湧いていることに多大なる価値があるのだ…
そんな、気軽に水を汲みに遠出していた牧歌的な時代にぼんやりと思いをはせつつGoogle mapを漫然と眺めていたある日、"湧水"の文字を発見してしまいました。場所は、タイトルにもあります通り城里町。字名が「岩船」となると、式内社である「石船神社」が鎮座しており、私も何度も足を運んだ地域です。あの近くにまさか湧き水があったとは、寝耳に湧き水、泣きっ面に湧き水、二階から湧き水。Google mapに登録してくださった猿田幹雄様、勝手ながらここに感謝申し上げます。
というわけで、AIとの楽しく絶望に満ちたおしゃべりを放り出して、早速向かいました。その前に久々に石船神社から立ち寄ってみたいと思います。
石船神社(城里町岩船)
創建:不詳(貞観元[859]年以前)
御祭神:鳥之石楠船神(とりのいわくすふねのみこと)
別名・天鳥船神(あまのとりふねのみこと)
御神体:兜石・船形石
こちらの石船神社、特筆すべきは何と言っても式内社であること。とんでもなく歴史の長い神社であるということですね。御祭神である鳥之石楠船神は『古事記』において、建御雷神(=武甕槌神、たけみかづちのみこと、鹿島神宮の主祭神)の副使として共に地上平定に降り立ったということです。こんな山の中にわざわざ降り立ったんでしょうか。それとも宿営地にしたんでしょうかね。拝殿は東向きですが、ちょうどその正面は切り立った崖になっていて、風除けになりそうな地形です。何より河原へのアクセスが容易で、東進して下ってきた岩船川が崖にぶつかって北に進路を変えるポイントであり、その内側の平らなスペースが確保できます。キャンプ地に最適! 今では拝殿奥にお隠れの兜石で体を隠すこともできたであろうから、敵の襲来にも安心!
では国譲り当時からアウトドア最前線であった境内へと入っていくことにします。北向きの石鳥居をくぐって参道を進むと、ほどなく右手に大きな丸い石とその上に建てられた灯籠(岩船石)が現れます。そこから右に斜面を下ると矢の根石が鎮座。
岩船石。灯籠には「享和元年」と彫られている
矢の根石。八幡太郎義家の矢が的中した大石、と由緒書きにある
その名の通り、境内至るところに石がちりばめられています。石造りの神橋を渡ると正面に拝殿、その奥には本殿の代わりに御神体である兜石。拝殿の左側に流れる岩船川のほとりにはこちらも御神体の船形石。
船形石。その名の通り船のような形。神社の由来か
岩船川。この後の湧水訪問に期待を高めてくれる清流
御神木の大杉は樹齢300年以上。脇の本殿域に兜石が鎮座する
日本神話のプリミティブなありようを自然の中で追体験した今では、キャンプにおいて水の確保がいかに重要かが分かっていただけたのではないかと思います。高天原だと水もそんな豊富にあるわけではないでしょうから、葦原中国に降りてきた時には喉も乾いたに違いありません。さすが「鳥」であって「船」でもある鳥之石楠船神のことですから、どこに降りればいいかを熟知しているわけです。そんなわけで小径をちょいと下ればすぐに岩船川の清流に至れるのは大きなメリットがある地であることが、理解できるのであります。しかしいかな清流といっても川は川、ひとたび雨が降れば忽ちにして濁流と化すのであって(岩船川の写真をご覧ください、奥に堤防が築かれています。今はおとなしい清流である岩船川も、結構厳しく崖の壁を穿っていたのかもしれません)、濁ってしまえば飲用には使えません。
ですから、今回ご紹介したい菖蒲沢湧水をセカンドチョイスとして持っておくのが有用なのだと、先ほど私が申し上げた次第なのです(特に申し上げてない)。
それではいよいよ向かってみましょう。石船神社からは車で5分とかかりません。車1台が通れるくらいの舗装された細い林道に入って斜面を上っていくと、右手に看板があります。そこから歩いて奥に進んでいくと湧いています。菖蒲沢、と聞くと何だかいかにも見目麗しいような、いずれ菖蒲か杜若なんてな美人が黒髪を垂らしつついそいそと手を流れに浸しつつ冷たがるしぐさ、いみじうをかしけり。どんなにか美しい沢と湧き水がボクを待ってるんだろ~か。などとウキウキして水場に向かうと…
なんじゃこりゃあ…!!
菖蒲沢湧水(城里町岩船)
ごちゃっ… なんか藪化してる…。いやでも悪くはないぞ、少々気味が悪いだけで、清らかな水が出てる感じがしないでもない。小径の奥の行き止まりに井戸のようなものが見える。なるほど、近くの菖蒲沢から引いた水をあそこに溜めてろ過したものが湧出しているのかしらん。何となく嫌な予感をはらみつつも湧出口をのぞき込む。

うっ… 赤さび… これほど尋常じゃないほどに赤く染まっているのは初めて見た。

水流までみごとに真っ赤になってしまっている。鉄バクテリアがかなり発生しているのでは? これではさすがに口をつけるのもためらわれる。赤さびの原因は水に含まれる鉄分が酸素と結合して酸化鉄となるためだそうですが、公害汚染にしか見えないんですけど…。多くは地下の土壌由来によるものということで、私が先ほどまで勝手に描いていた菖蒲沢の青々としたイメージはかように崩れ去ったわけです。さらにぬかるみぎみの小径は獣によってヌタ場と化しているようで、ちょっと居心地の良い空間ではなく…、そそくさと立ち去ることとなりました。
再びGoogle mapに戻って湧き水はないかと"物色"するわけですが、そうそう見つかるものでもない。県北から県央部の湧き水はあらかた行ってしまっているし。そんな中でたまたま見つけた菖蒲沢湧水。飲用という点では残念な結果でしたが、実はまだ知られていない湧き水が多数、とはいかないまでも少しはあるんじゃないかと期待しているんです。なのでマップ登録よろしくです!(他力)
神社脇の公民館に立つキリン。なぜキリン