water_sky’s waterbound diary

酒に溶かしたやり場のなさと打ち明けられた愛のあいだ、泥の川とディラックの海のあいだ

茂庭に熊は出ているか①:蓮華滝[福島市飯坂町茂庭]

 熊の出没が相次いでいます。

 夏のうちから、2023年は地域によって熊の食糧であるブナ類の実が「大凶作」となるという予測が出されており(河北新報東北5県、ブナの実「大凶作」と予測 クマの出没増を懸念 東北森林管理局 | 河北新報オンライン)(岩手日日新聞社:ブナ「大凶作」、クマに注意 東北森林管理局予測【岩手】|Iwanichi Online 岩手日日新聞社)、それを裏付けるかのように東北地方を中心として全国的に熊が出没し、人のテリトリーへの侵入が繰り返されて連日ニュースで騒がれています。さらには11月というのに夏日が連発するという異常気象、これでは熊も冬眠する理由がありません。人間だってまだコートの準備は先送りだ(油断は禁物)。

 熊の出没でふと思い出したのが、福島の山の奥、茂庭地区。

 

www.city.fukushima.fukushima.jp

 

 福島市、そして福島県の最北部、山に囲まれた秘境。茂庭っ湖を擁する摺上川ダムが大きなシンボルであり、深山ならではの自然と文化が見事に調和した美しい地域です。

 もうだいぶ前のことになるけれど、その茂庭地区にある滝を、そういや熊にビクビクしながら訪れたなぁというのを思い出したのでした。当時から至る所に「熊出没」の看板が立っていたと記憶しているんですが、今年は茂庭にも熊が出ているんだろうか?

 そんなわけで、その時に訪れた茂庭の滝を紹介してみたいと思います。2010年だから、もう13年も前だって(…!!)。現在ではなく13年前の情報であることにご留意ください。今じゃもう、少なくとも今は、熊がウヨウヨしていそうなそんな場所に行くのは体力気力共に無理だもの。哀しいね… 時間だけが過ぎていったね。

 

 *   * *     *  *   * *   

 

 本日のBGMはFat Jonの「Beyond Love」。茂庭に降り注ぐ朝の光が鮮やかに色づいた木々の葉っぱや冷たい空気の粒に反射してきらめく様子を想像しながら聴いてください。この曲はいつも福島の紅葉とともにあった。

 

  * * *   * * 

 

 今回まず向かうのは「蓮華滝」。

 谷沿いの細い道を徒歩で山中に分け入り奥へ進んでいきます。熊の気配は特にないですが、周囲は深い山なのでいつ飛び出してくるかも知れず、喉をカラカラにしながらの進入です。記憶が定かではないが、15分程度の歩きだったような気がする。

 

蓮華滝(2010年)

 少し開けた場所にどっしりとした姿の蓮華滝。現地に設置された案内板によれば、蓮華滝不動尊(歩きの途中で出合う)を起点とした参拝道がこの山域をぐるりと巡っており、まず蓮華滝で水垢離をして心身を清めてから参道を進むのだそう。

 

 なるほど滝の前には注連縄様の縄が張られ、その内側が聖域であることを示しているようです。ちなみに現在はこの縄はなくなっているみたいですね。付近では近年、土砂崩れが発生したとの情報がネットに上がっており、縄も大雨の影響か何かで押し流されてしまったのでしょうか。往年の姿を伝える、これは貴重な写真となるかもしれません。

 

 訪問時は11月の半ば。黄葉も終りを告げるところでした。

 

 滝そばの木には、スノボのようなものがくくりつけられています。「奉納 蓮華山不動尊祭〇」および日時と人名が記載されていますが、これは何でしょうか。奉納物?の類でしょうか、信仰に厚い霊場の趣を漂わせます。

 

 *** ** *** 

 

 そんなわけで茂庭地区にある蓮華滝をご紹介しました。次回は同じく茂庭地区にある「西滝」に向かいたいと思います。こちらの滝もなかなかエグいですよ。