那須に向かう際にたまたまという形でめぐり合った、那須塩原市・正観寺のシダレザクラ。2019年は4月9日の段階で満開という案配だった。
宿場町の名残ある鍋掛という集落の一角にある正観寺(真言宗)の境内に立つ、樹齢250年超のシダレザクラ。現地の案内板によると「樹高約15m、目通り周囲約2.8m、枝張り東西17m」とのこと。花の付き旺盛で、縦長のフォルムが実に端正。花の色淡い白に薄くピンクがかり、春のやわらかさとはかなさを一目だに感じさせる名木。
ややがらんとした感じで立つ本堂は、明治年間に火事により焼失したものを、近年新しく建立されたということ。
写真を撮っているうちにぽつぽつと雨が降り出したので、足早に退散したが、それでも桜には春のやわらかな光がそそいでいたのだった。