water_sky’s waterbound diary

酒に溶かしたやり場のなさと打ち明けられた愛のあいだ、泥の川とディラックの海のあいだ

愛宕神社

 少し前にご紹介した「富士山下の湧水」( https://water-sky.hatenablog.jp/entry/20190104/p1)、湧き水は愛宕神社境内に出ているとのことでしたので境内を探索したところ、社殿が土台の石積みを残してきれいさっぱりなくなっているのを発見しました。異様な光景に息をのみ、その後すぐに件の湧き水を見つけたために忘れ去っていましたが、この間地域に住む方を見つけ怪しさ満点に事情を聞いたところ、事の顛末を教えていただいたのでご報告します。

 

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  一体これはどうしたことだ、地震か、はたまた台風で無残にも倒壊してしまったのか。火伏せに霊験あらたかな愛宕神社なのに、皮肉にも焼けてしまったのか。昔、押尾学が「ジミヘンのようにギターを燃やすような真似はしない。今の俺はすでに炎に包まれている」と言ったとか言わないとか。

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 結論を言うと、愛宕神社遷座されたそうです。

 というのも、当社は国道沿いにあるとはいえ、山腹の急な斜面を上っていかなければならないいささか不便な場所に鎮座しています。地域の高齢化が進んで参拝が困難になることから、公民館の後ろに愛宕神社と薬師堂を新築し遷座、合祀したとのことです。

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 愛 宕 神 社

 

  中には愛宕神社から遷座したとおぼしき本殿と、薬師如来不動明王像などが数体祀られていました。それぞれ名前の書かれた板がかっこいいですね。「防火防災・健康長寿」、高齢化に伴う参拝困難という先の事情を考えれば神社と薬師堂の合祀なんて今では珍しくないのかもしれませんが、村の鎮守としてはこれ以上ないくらい縁起が良さそうです。さらに大黒様と狐を勧請してくれば完璧か。

 

 写真で見るだけでも明らかなように、旧境内の階段は狭くて急でしかも古くて不安定、周囲のヒノキは十分な手入れもされていないために葉や枝が落ち放題で滑りやすく、転倒の危険がびんびん感じられます。これはこれで非常に味わい深いのですが、高齢でなくとも頻繁に訪れる気にはなれない。

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 移設された神社は新しく、ぴかぴかして気持ちの良い空気が漂っていました。これなら地域住民の皆さんも安心して参拝できることでしょう。

 国道349号沿いには数多くの神社があり、山域ではこの神社と同様に急な階段を上った先の狭い境内に社殿が建つ。というケースが多いです。それだけ山深いということですが、これからどんどん高齢化・過疎化が進む中でこういった神社の存続がどうなっていくのか、少し暗い影を投げかけもするようですが、それもまた時代の変遷として受け入れていくことが肝要でもあります。廃れていく地域、廃れていく人。廃れていく私をそのまま見つめる。見つめましょう。

 

 田中さんがキャリア中おそらくもっともキレッキレだったころのグレイプバイン。この頃のライブを観に行っていないことが心から、心から、心から悔やまれる。一体何やってたんだ? ぽさっと水汲みになんて行ってたのか?