water_sky’s waterbound diary

酒に溶かしたやり場のなさと打ち明けられた愛のあいだ、泥の川とディラックの海のあいだ

二荒山神社の滝[那珂川町松野]☆☆

 チャンピオンズC、いかがだったでしょうか。今回はパドックを観る時間があり、そこで最終的な印を◎サウンドトゥルー○モーニン▲アスカノロマンアウォーディーロワジャルダンゴールドドリームアポロケンタッキーとし、馬連・ワイド・三連複を的中しました。当初アスカノロマンは軽視していましたが、前走のみやこSを観ると大敗の理由は明らか。今回の追い切りでは馬なりで時計こそ地味でしたが、じわりじわりとそれこそ馬に任せて気分良く走らせているようで、それはパドックにも現れているのがうかがえて、評価を上げました。ゆったりして落ち着いた歩様の中にじわっと気合が乗っていましたね。逆に追い切りが素晴らしかったゴールドドリームは、パドックでチャカついており「コレは危険」と印を落としました。現状このメンバーで1800はちょっと長いのでしょう。サウンドトゥルーは坂路での追い切りが見事に反映されたパドックでのぎゅっと締まってゴムまりのようでかつしなやかな馬体が目を引きましたし、今回ほど調教とパドックの関係に目を凝らしたレースもなく、勉強になりました。サウンドトゥルーは道中ほぼ最後方で、直線では迷わず内に入れてアウォーディーが抜け出たスペースを突いてゴールまで突き抜けました。道中同じ位置にいたカフジテイクをはじめ追い込み勢との差が4コーナーで出ました。大野Jの好騎乗が目立った一戦でしたね。
 
 落葉の舞い散る枯れ滝は/悲しい女の吹きだまり/だから今日もひとり明日もひとり/涙を捨てにくる

 幼い頃、母の背に揺られそんな子守歌を聴いていた私は、今日もひとり明日もひとり、滝を探してさまよう。彷徨する。
 この日訪れたのは栃木県那珂川町二荒山神社。たまたま通りがかって、へーこんなところに二荒山神社。珍しいと思って先を見れば、ぞぞぞーっと長い階段が続いていてびっくり。その先にちんまりと拝殿が見える。
 



 
 参道脇に掲げられた御由緒を読むと、「二荒山(ふたあらやま)神社」とのこと。つまり宇都宮市中の二荒山神社と縁が深いようで、御祭神は大己貴命豊城入彦命である(ただし御由緒には「大同元年に田村麻呂氏が東征を行った際、大己貴命田心姫命味耜高彦根命の三柱をお祭りしてマジ半端ねっす」という記載があり、神仏分離の以前には「日光三社大権現(権現さん)」と呼ばれていたこともあったようで、日光と宇都宮の二荒山神社が混同している。そのへんの経緯はよく分からない)。境内社が6つあって、フムフム…とつらつら読み流す、「四宮神社・湯殿山・山之神宮・天満宮竜神宮・小川党氏神稲荷社三社 境内に一瀑布がある」
 すわっ!? 「境内に一瀑布」!? 突然の超展開に俄然ヤル気を出し早速意気揚々と階段を上り始めるも、これが運動不足の下半身にひどくこたえる。太ももをプルプルさせながらようやく拝殿に到着し、そわそわと参拝を済ませ一応境内社をぐるっと回って耳を澄ますと、聞こえる聞こえる、水の流れる音! 滝はどうやら拝殿から向かって左側、つまり拝殿の鎮座する尾根の右岸の崖に落ちているようだ。階段を下り、途中の小道から滝のあるらしい沢へ進入する(そこに最後の境内社が祭られている)。コンクリート堰堤が設けられており、踏み跡もないので斜面を適当に下りて沢を登ると、眼前のどん詰まりの谷にひっそりと滝が流れていた。
 


 
二 荒 山 神 社 の 滝(仮称)
 
 残念ながら、思っていた以上に水量は少なくてほとんどナメ滝の様相だった。しかもどこから集まってくるのか、ゴミそれもビールの空き缶がやたら多く転がっているので趣が削がれる。
 それでも、直線距離にして車道から幾分と離れていない場所で、三方を谷に囲まれ静かに見る滝は良いものだ。踏み跡がほとんど見当たらなかったのが気になったが、誰も見に来ないのだろうか? 帰ってインターネットで検索してみたが、調べた限りでは滝に関する情報も皆無である。ま確かに、わざわざ沢に入ってまで見るほどの滝ではないかもしれないけれど…。
 検索中に面白い情報に行き着いた。何とこの神社一帯には昔、城があったという。城間川という沢を挟んだ南北の山岸に、それぞれ一つずつ城が建っていたらしい。構造的にも、また境内にあることからも、人工滝なのではないか、つまり水路を通して崖に水を落とすという構造の名残なのかな、とも思うのだけど、不明。
 
 車の通る音を間近に聞きながら、謎の滝と対峙する時間も、なかなかおつなものではある。ここでも場違いなシュロ君が殺風景な滝の景によく分からない彩を加えてくれた。