water_sky’s waterbound diary

酒に溶かしたやり場のなさと打ち明けられた愛のあいだ、泥の川とディラックの海のあいだ

吉田神社の湧き水[茨城県常陸大宮市]☆☆☆

 梅雨に入りましたね。で梅雨が明けたら夏がやって来るんですね。早いもんですねえ…。さっきツイッターでちらっと見かけたんですけど、あと2年でヴァンゲリン新劇場版:序の公開から10年になるんですって。恐ろしいですね。2007年なんてついこないだだと思っていたのに。こうやって人は年を取っていくわけで、それはどうあがいても不可避なんですね。あがきもせずただぼーっと過ごしていると、本当に何も残らまあいいや。アース・ウインド&ファイアーでも聴いてイヤなことは忘れよう。つかの間の。
 

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 前回までの奥会津から一気に茨城ローカルになりますが、常陸大宮市の御前山(旧御前山村)の湧き水です。

 御前山は「関東の嵐山」と呼ばれ、悠々たる那珂川の流れ、その上に架かる御前山橋、そのわきに雄大なる(?)御前山が連なった美しい風景を手軽に眺められるところです。御前山は標高200mに満たないゆるやかなピークを中心とした山域一帯を指しますが、江戸幕府によって「お留山」とされ伐採が禁じられていたために豊かな自然が残されています。太い杉の森、そしてわずかですが樹齢数百年のブナ林が残っている! 滝もいくつかかかっていて、それらを受けて山の中を流れる皇都川は、その名の由来を道鏡孝謙天皇の悲恋伝説にもつとされ、自然のみならず古い歴史も併せ持ち、また釣りや川遊び、ハイキング、キャンプ、ちょっとした登山と、手軽なアウトドアが楽しめる場所でもあります。

↑ブナ林とその奥に流れる「むじな滝」。雨が降らないと現れない



↑南から御前山方面を見る。写真左側の山塊がだいたい御前山と呼ばれる山域

 そんな 「ねえパパ、わざわざ只見まで行かなくても、ブナあるよ」がキャッチフレーズの(違う)御前山ですが、その北西に公営のキャンプ施設「御前山青少年旅行村」があります。私は利用したことはないんですが、バンガローをはじめとして結構ちゃんとした設備がそろっていて、年間の利用者も多いみたいですね。その入り口手前に吉田神社が鎮座しておりまして、境内に湧いている水を今回ご紹介します。

吉  田  神  社  の  湧  き  水  (仮)

 この湧き水、1年を通してだいぶ水量の変化が激しく、動画を撮った時にはかなりの水量が出ていました。まるで覚えたての少年のように、勢いよく水が噴射されていますね。思いのほか水温も冷たくて気持ちが良かった。すぐ脇の山側斜面を探ってみると、ところどころぬかるんでいました。
 御前山の北側で湧き水があるという話は聞いたことがないし見つけたこともないので、この湧き水は貴重な存在であるかもしれません。ロケーション的にはタンクに汲んで持ち帰る気にはあまりなれないが、暑い日のさなかちょっと立ち寄ってみるのに最適なスポットだと思います。ぜひ御前山へ。只見は遠すぎるから。