water_sky’s waterbound diary

酒に溶かしたやり場のなさと打ち明けられた愛のあいだ、泥の川とディラックの海のあいだ

旭観音不老ノ泉[那須烏山市小倉]☆☆

 栃木の湧き水といえば百名水にも選定されている尚仁沢湧水や日光地域の湧き水かと思ったらそうはいかない。ネットで探してみても一向に情報が出てこない、レアなスポットをご紹介する。
 那須烏山市の西から南へ、うねうねと蛇行しながら茂木町との境近くで那珂川に合流する荒川に「栄出(えいで)の滝」があると聞き、それを探していてぐるぐると車を回らせていた時に、偶然見つけたのがこの「旭観音不老ノ泉」。


 集落に向かう道の途中に湧出。山の斜面にホースが差し込まれている。決して湧出量は多くないが、近くには堰の設けられた沢が流れていた。湧き水の隣には木札に件の名が、そしてその上には種子で聖観音菩薩を表す「サ」が刻まれている。詳細は一切不明。話が聞けるかと地元の人が通りかかるのを待ったけれど、ほぼ通行なし。水量が水量なだけに汲んで帰る気にもなれず、手ですくって飲んでみればまあ普通の水。「不老」の効果あるやなしや。






































 稲の収穫も近い里に忘れ去られたように流れ落ちる湧き水。決して人家から離れているわけではないが、川のうねりのせいか水の流れるくぐもった音のほかは何も聞こえない、静かな場所。稲刈りの休憩中に喉を潤すなんてシチュエーションにはぴったりの湧き水である。観光の途中にふらりと立ち寄られてみてはいかが。

 ('12.09訪問)