water_sky’s waterbound diary

酒に溶かしたやり場のなさと打ち明けられた愛のあいだ、泥の川とディラックの海のあいだ

横川林道の湧き水[常陸太田市横川]☆☆☆☆

 
 いやあ、梅雨ですね。なんつってるうちに、いつの間にか太陽の放つ紫外線が息苦しいほどに鋭さを増してきて、いやあ、もう夏ですね。中央競馬では函館開催がスタートしましたし、毎年恒例のダート1700mで4コーナー先頭の馬がそのままゴールするのを茫然と眺めるに「また(外れ)か…」…じゃなくてまた夏が来たか…と天を仰ぎますよね。

 函館スプリントS。いやあ、やられましたね。洋芝にはクロフネ産駒。2、3、4着が占める結果に。今年は例年にも増して前に行きたい馬が揃いましたから、直線では前がゴチャつくだろうと予想できましたし(実際ローブティサージュは内で包まれて何もできませんでしたね)、外枠で後ろから来る馬は要チェックだなとは見立てついてたんですが、ティーハーフセイコーライコウを押さえたまで。前日にレンイングランドに☆印は打ったんですが(札幌デビューの時から注目してる1頭なんで)、この馬も前に行きたそうだったし、斤量52キロとはいえさすがに今回は力試しかな…と直前で切ったんですよね。アースソニックに至っては大外枠だから切ろう。と外枠チェックと言いながらその場しのぎの適当な言い訳により考察外に。いくら前がレコード決着しそうなほど速くなりそうだと言われても、やっぱり前が行ったままなだれ込むんじゃないか、アンバルブライベンが残っちゃうんじゃないか、っていう疑いが消えないんですよね。そうするとアースソニックなんかは場当たり的な予想で印が回らない。結果的にアンバル5着は大健闘だと思いますが。
 
 とまあ、そんな気分で天を仰げば梅雨の晴れ間でそこそこいい天気。ここはひとつ久しぶりに行ってみるか、ってんでやってきたのが常陸太田市の山奥にある湧き水。以前別のブログに訪問記をあげていますので、暇な方は検索してそちらをあたっていただくとして詳細は省きますが、久しぶりに(少なくとも3.11震災後には来ていない)来てみたら、林道・沢ともに所々崩壊、崩落が目立ち、荒廃が進んでいるな。という感じでした。
 すり減ったタイヤでパンクが怖い臆病者の私ですから、身体を突っ張らせて恐る恐る運転しながらやっとこさ着いた湧き水も、以前とは様相が少し変わり、どことなく陰気さが漂っているようでした。
 この湧き水の最大の特徴は、湧出口が8つもあることでしょう… ところが、今回行ってみると7つに減っていました。さらに「もっとも右側の湧出口の水が一番まろやかで美味しい」などと知ったような口をきいていましたが、今回そこを試してみると、いささか鉄分が多く感じられました。ハルジオンなどの雑草が高く生え、湧出口のひとつは草の中に埋もれている。以前はきれいになっていた観音様も草の中…。湧き水、沢、林道を取り巻く環境が徐々に変化していこうとする予兆を感じずにはいられない訪問となりました。
 

↑複数に分けて水を汲むことができるのが贅沢よね。湧出量は一番多い口で約7.9L/min(4リッターを約30.5秒)、一番少ない口で約2.4L/min(4リッターを約1分40秒)程度なので、あまり多くはない





 ↑林道沿いの沢はおおむね穏やかで細い流れだが、切り立った崖が存在する箇所もあれば小滝が連続するような箇所もある。「大沢のみどり滝」があるのだが、以前立っていた看板はなくなっていた。崖や沢辺の木々が倒れ、沢がふさがれているところが数箇所あった。震災の影響かとも思ったが、以前別の山で逢った営林署の人と話したことを思い出す。数年前に北関東でも例年にない大雪が降り、それで付近の山林がやられてしまったとのこと。ただでさえ震災で緩んだ地盤にドカ雪という追い撃ちで、山が疲労を起こしているような印象を受ける。
 


 
 荒廃、などと言うと聞こえが悪いですが、どこかみだらな美しさを醸す湧き水の光景。これからやってくる、みだらでどこか退廃的な夏。夏のはじまりは夏の終り。世界の終りの静かな呼吸。を私たちは終ることなく続けていきます。そんな、夏の終りのはじまりの予感が漂う今いち冴えない空模様の中途半端な光を浴びて、湧き水でも汲みに行ったら? 昨日まで素っ裸で抱き合っていたけど、さあ服を着て。ベイビー、いつか恋は終るって君が言う前に。何の設定だ。

 でもこの林道は細い上に前述の通りコンディションがあまりよくないので、くれぐれも慎重に。帰りには横川温泉などで汗を流すのもいいでしょうね。道の駅さとみでソフトクリームも食べたい。