water_sky’s waterbound diary

酒に溶かしたやり場のなさと打ち明けられた愛のあいだ、泥の川とディラックの海のあいだ

白鳥神社の石仏

 2016年の有馬記念、いかがだったでしょうか。21世紀の競馬史に残るであろうすばらしい名勝負を目の当たりにされたことと思います。こんなにすばらしいレースを観たのは本当に久しぶりのように思える…(と今年のダービーの時にも言っていた気がするが)。私の印は◎キタサンブラックサトノダイヤモンドサウンズオブアースゴールドアクターミッキークイーンマリアライトヤマカツエースということで、巷間話題のサイン馬券もしっかり盛り込みつつカタい馬券で勝負となりました。勝ってほしい馬に賭ける、これが競馬の常道でありましょう。まあ予想は1着同着なので微妙にハズしたわけですが笑 走破タイムが2分32秒6。マルターズアポジーが大逃げを打ったこともあって1000m通過が61秒、その後も極端に緩むことなく全体的に締まったレースになり、最後の直線は三つ巴の非常に見ごたえのあるものとなりました。ディープインパクトは鋭いキレが身上で産駒たちにもそれが投影されがちですが、目下ディープの"最高傑作"といってよいサトノダイヤモンドはキレよりも持続的なスピードとスタミナのバランス、それを支える完璧な折り合いと高い操縦性(レース中に勝ちにいきたいポジションを取りにいけることがまず稀有)が備わっています。比してキタサンブラックはディープの兄ブラックタイドの仔。今でこそキタサンの活躍などで評価を上げていますが、出てくる産駒はほとんど注目されず、キタサンだって新馬の時は低い評価にとどまっていました。しかしブラックタイドの仔はムラ駆けが強いものの勝負根性のあるものが多く、それが本格化したのが今のキタサンブラックです。正直ここまで強くなるとは思いませんでしたが。ここ数年、前へ行って後ろから来る馬をドンと待ち受けて勝負できる馬なかなかいなかったですよ。サンデーサイレンスから連なる鋭いキレ至上の競馬界の中で、その中でも"至宝"とうたわれるディープインパクトと全く同じ血統をもつブラックタイドから、こういう馬が出てくることの面白み、そしてそれをさらに正攻法で乗り越えていくサトノダイヤモンドという新たな輝きに、ある種の感慨を覚えずにはいられません。
 さて、2016年の中央競馬も全て終り、今年の収支「も」目も当てられないことに…。今年もいろいろありましたが、この醜い(年間収支の)現実から目をそらすため、今年の全G1レースの回収率を計算してみました。結果は131%。全22レース中、的中は10。昨年は175%の回収率で的中は春がゼロ、秋がチャンピオンズC以外という両極端なものでしたが秋は満遍なく獲れていた。しかし今年は年間にわたってムラが大き過ぎました。G1だけでなく全てのレースを含めた回収率は81%。昨年も同じ81%ですが問題は…まあ野暮はよしましょう。来年はさらに競馬と楽しく充実した付き合い方を模索していきたい(泥沼か)。

 



福島県二本松市白鳥神社の石仏。建立年代は不明だが境内には天明期の石塔もあり古いものと思われる