water_sky’s waterbound diary

酒に溶かしたやり場のなさと打ち明けられた愛のあいだ、泥の川とディラックの海のあいだ

柔和な顔のお地蔵さま

 東京大賞典、いかがだったでしょうか。当初アポロケンタッキーから入る予定だったのですが、追い切り動画を観てしまったのがいけませんでした。坂路で時計は出ていたものの、フラフラして追われてからも左にヨレるなど、あまり良くは見えなかったので、印を落としてしまいました。逆に追い切りで良化が見えたのが、前走の調教がどうにも良く見えなかったアウォーデイー。で◎アウォーディー、○叩き3走目でそろそろ変わってきそうなノンコノユメこの2頭を軸とした三連単フォーメーションで勝負してしまった。個人的にはサウンドトゥルーと大野Jは応援したいところだったんですが、前走がほぼ完璧の仕上げとみえましたしレース展開も内でじっと構えて絶好のタイミングで前が開くというかなり恵まれたものとなっての勝利だったため、来ても2着までか。という予想でした。
 さて、2016年は中央競馬界にとってグレートヴィンテージといってよい濃密な一年だったのではないでしょうか。イチから振り返ることはしませんが、3月のドバイワールドカップデーにおけるリアルスティールラニの活躍あるいはドゥラメンテの落鉄あっての対ポストポンド2着を皮切りに、5月エイシンヒカリが仏イスパーン賞を逃げ切り、ラニが日本馬初の米3冠全出走、そして記憶に新しい今月の香港におけるサトノクラウンポストポンドを下しての優勝、そしてモーリスの圧・完勝と、今年は例年以上に海外での日本馬の活躍が目立ちました。もっとも今年にはじまったことでなく、昨年一昨年…を持ち出すまでもなく、「熟成」が花開いたということでありましょう。日本馬が海外で活躍することが定着化した象徴的な一年として、歴史に刻まれることとなります。そして国内では、史上最高レベルと称されたクラシックの"3強"、中でもマカヒキサトノダイヤモンドが激突した日本ダービーは、ここ数年いやさJRAの歴史のうちでもベストマッチのひとつに挙げられましょう。そしてそのベストマッチは年の瀬の有馬記念で今度はサトノダイヤモンドキタサンブラックによって再演されるわけです。今年の国内G1レースを複数勝っているのはこの2頭しかいません(サトノは菊花賞有馬記念。キタサンは天皇賞春・ジャパンC。ただしモーリスは国内は天皇賞秋のみだが香港マイル香港カップの計3勝。コパノリッキーは地方、かしわ記念帝王賞マイルチャンピオンシップの計3勝)。それだけバリエーション豊かな馬たちが活躍した年でもありました。まあそれは毎年のことなんですが。来年はサトノダイヤモンドがいよいよ本格化し、キタサンブラックも完成の域に達するでしょう。「サトノとG1」の呪縛が解かれた今、次はとうとう「凱旋門賞」の番なのか。果たして来年はどれだけ馬券を負けるのか。ではまた来年、金杯でお会いしましょう。よいお年を。

 



柔和な表情のお地蔵さま。建立年代不明。傍らの同時期らしき子安観音は寛政年間の文字