water_sky’s waterbound diary

酒に溶かしたやり場のなさと打ち明けられた愛のあいだ、泥の川とディラックの海のあいだ

下檜沢の小滝(仮称)[常陸大宮市下檜沢]☆☆

 
 一度何かアップすると楽しくなって次々と記事をアップしたくなり、すぐ熱が冷めて更新が途絶えるというようなペースで、世界の片隅で静かに呼吸をしながら生きています。
 せっかくなので前回の一矢神社に程近いスポットを紹介してみます。おそらくこの先、誰にも顧みられることなく"滅び"てゆく場所のことを…
 

 
下 檜 沢 の 小 滝(仮称)
 
 こちら、先ほどの一矢神社から程近い、下檜沢という地区の沢にかかる滝。これが滝かどうかというのは、議論の分かれるところでしょう。いや、分かれるまでもなく「こりゃ沢の一部だヨ」ということになるかも知らん。それくらい、落差としては1mもないほど小さいものです。しかし雰囲気はそれなりに出ているかと思います。
 

 まあ、これくらいのものであれば、その辺の沢を適当にさかのぼればそれなりに見つかるかもしれないけれど、これを見つけた時はそれなりにうれしかったですね。下檜沢にあるというのがうれしいではないですか。雰囲気のある沢は他にもありそうなので、もしかしたら本格的に探索したらもっと立派な滝もあるのかもしれない。ただ、この辺りの山は結構深いので、私のようなファッション滝巡りの青二才が敢えて奥まで進入する気にはなりません。
 

 
 この"小滝"には、アプローチは大して難しくはない。林道のすぐ脇の沢にかかっているし。しかし林道自体が荒れており、山林の管理も十分になされているとは言い難い。おそらくこのまま誰にも顧みられることなく、水は流れ、岩は削られ、数十年後には何の変哲もない流れの中に、私の見た滝は消えゆくことだろうと思う。特に感傷などあるはずもない。
 ただ、私が出会わなかった人、出合わなかったもの。出会うべきだった人、出合うべきだったもの。それらと対極的な存在として、この滝は私の心の中に残っている。大袈裟に言ってしまえば、そういう存在である。小袈裟に言ってしまえば、へへ。結構マニアックな場所見つけたぜ。ということになる。
 
 
   *          *       *           * *        *
 
 
 市は「ささの湯」を重要な観光資源と位置づけ、R293の旧緒川村(生クリーム大福で有名な「ふるさわ」のすぐ近く、江畔寺の沢をはさんだ向かい)進入点から「ささの湯」を経由して下檜沢からR293の花立トンネル下の交差点まで抜け、道の駅北斗星までをつなぐような形で道路整備を行い(特に旧緒川村から下檜沢までを重点的に現在も進行中)、観光客の増加に力を入れているようです。
 その道路整備計画はR118との結合(山方トンネル前の交差点)も含まれているようなので、県北芸術祭を考えると、工事が完了していればなおのことよかっただろうが、個人的にはあの狭い道が好きだった。下檜沢は大規模な工事が必要なほど道が狭く、つまり切り立った山に囲まれて冬の冷え込みも厳しく、秋には有名な景勝地に勝るとも劣らない素晴らしい紅葉が見られる所なのだが、下の写真に映っている道路、光景はもう存在しない。
 
 
 写真は2010年11月。この狭い道をバスも通っていた。カーヴが厳しく、すれ違うのにも難儀した。今はこの区間は明るく開かれ、片側1車線に生まれ変わるべく工事が続けられている。