water_sky’s waterbound diary

酒に溶かしたやり場のなさと打ち明けられた愛のあいだ、泥の川とディラックの海のあいだ

桧山沢の不動滝[栃木県茂木町]☆☆☆

 
 北関東の清流、那珂川の支流・逆川に合流する沢にかかる「桧山沢の不動滝」。

桧 山 沢 の 不 動 滝

 
 雨後には轟音とともに濁った水を落とす迫力の姿を見せてくれるものの、普段は水量は少なく滝つぼも浅いので、近づくのは容易。
 存在こそ茂木町HPの「こちらデスクWEB版 11月号」にその名が刻まれていて知ってはいたけれど、山の中の細い道を走らせていて偶然に出合った。落差こそ小さいものの、車道からすぐ見え、踏み後がついていてなかなか味わいの深い滝である。
 


 初めて訪れたのは8月だったが、カタクリが残って咲いていた(訂正)そんなわきゃない。こりゃギボウシの仲間だ。


 滝の上部を見ると、橋のようなものが架かっているように見える。


上がって滝の落ち口を見てみると、確かに平べったい板のような木が沢をまたいで置かれているようであり、たんに流されてきてはまっただけのようにも見える。
これが橋だと仮定し、しかし渡った先に道はない(もしくはすでに消失)。


↑昨年12月の様子。あれから大雨も多かったせいか、滝上部の橋のような木は消失している。この写真からは、滝は3段になって流れ落ちていることが分かる。


"不動滝"と呼ばれるだけあって、滝の左岸にはお不動様が祀られている。

 
 現在では舗装された道路が通っているが、山を挟んだ集落と集落を結び田畑へ向かう、あるいは山仕事の道として昔から利用されてきたに違いない。山の奥深くにかかる秘境の滝には畏怖を含んだ憧れの念を抱くが、こういった里山の、人の生活のすぐ近くにあったであろう滝はありし日を想起させるような、ほっとする感じがある。仕事の手をちょっと休めて涼む滝が、昔は国中のあちこちにあったのだろう。
 茂木町には、そんな「大きくはないけれど里山にひっそりかかる」ほっとする滝が他にも幾つかある。ま、大した滝は少ないので喫緊性に乏しいが…折を見てご紹介していきたい。
 

↑大雨の後にしか現れない、桧山沢の不動滝西の滝も確認(中央奥)。落ち口まで近づくには長靴が必要とのこと。結構落差のあるナメ滝のようだ。