water_sky’s waterbound diary

酒に溶かしたやり場のなさと打ち明けられた愛のあいだ、泥の川とディラックの海のあいだ

那珂市鹿島の湧き水[那珂市鹿島]☆☆ 

 茨城県那珂市には、白鳥の飛来地として県外にも広く有名な古徳沼をはじめ、池や湖沼が多く存在する。たぶん昔から水気を多く含んだ肥沃な土地だったのではないだろうか。そんな地形も影響したのかどうか、先の地震那珂市では震度6強を観測し、下水道の損害も甚大だった。
 肥沃ということでいえば、北側は西の那珂川、東の久慈川に挟まれた台地であり(その台地は、南進してそこから東に向きを変える那珂川に削られるかたちで水戸市との境を形成する谷のへりへ広く続いている)、広い田畑で豊かな米、野菜づくりが行われている(那珂かぼちゃなんかが有名ですね)。
 その台地が谷へと下っていく境目あたりに、湧き水が多く点在しているというわけである。軍民坂湧水とか、ひたちなか市加波山瀧とか、他にも無名だが味わいのある水場がけっこう知られざるかたちで残っているのだ。
 今回訪れた湧き水も、ネットで知った。鹿島という、瓜連駅から東へ1キロくらいのところを北へ下りる坂の途中にある。このあたりがちょうど台地と川の浸食で削られた谷(といっても広く平らな稲作地域)との境であり、坂が何本かあってそれぞれに名前が付けられている(湧き水のある坂は「化粧坂(けわいざか)」といって、「化粧坂湧水」と検索するといくつかブログが出てくるので、由来など詳しくはそちらを参照してください)。

014.jpg 坂が下り始めたあたりに湧出していた。森に囲まれて暗い。
 がぶ飲みするにはためらわれるロケーションだが、ひと口すすってみると雑味のないすっきりした水だ。特徴のない、といえばそれまでだけど…。湧水地点のすぐ脇から、上にのぼっていく径があるので、様子を見に行く。

015.jpg 上まで行くと集落の端に出る。上から径を眺めると、こんな感じ。ちょっと雰囲気があるでしょう?

016.jpg水源の上と思われる一帯は畑である。これではちょっと、水汲む気にはなれない…。
 写真奥を坂道が左から右へと下りていて、1枚目の写真のようにコンクリート壁で段差を保護されている。垣根の向こう側を径が下っている。だからまさにここが台地の北側のへりということ。

 
017.jpg 下りてきて写真を撮るなどしてブラブラしていると、径から集落の方であろう女性が犬を連れて下りてきた。詳しいことは聞けなかったけど、昔から湧き出ている水だそうだ。
 こういうとこの写真を撮ってるの? と言われたのでヒマなもんで…と答えると、まあ羨ましい。と返されて、いつものことながら苦笑…。年の瀬にもかかわらず相変わらずこんなことしてるなんて、ほんとにヒマ人だよな。
 (12.12月訪問)