water_sky’s waterbound diary

酒に溶かしたやり場のなさと打ち明けられた愛のあいだ、泥の川とディラックの海のあいだ

女体山の霊水(1)[那珂川町荒沢]☆☆☆☆

 近年、栃木のマスコットキャラ「とちまるくん」や地元のラジオ局が訪れて話題になった湧き水。不勉強ながら最近私も偶然ネットで知り、急ぎ駆けつけた次第。

 地元の方が整備され維持されているらしく(ずいぶん前の写真も飾られている)、きちんと管理され(ちょっと管理"されすぎ"な気がしないでもないが、手づくりのもてなしが心なじむ)山の中にあってほっとする休憩場所となっている。




 水はどこから出ているのかというと、女体山頂近くをボーリングしそこから出た地下水を引いているそう。湧水口をたどって見れば、ホースが山の奥へと伸びている。いやはや、これだけの整備をするのはさぞかし大仕事だっただろう。
 案内板によると、「年間水温8℃・水量毎分20リットル」とのことで、実際に持参した10リットルのタンクを37秒で満たした。非常に豊富な量の水が出ているが、そもそもこの湧き水が貯水槽に集水した余り水だというのだから、地下水脈の豊かさがうかがい知れる。口に含むと、ほのかに甘みがあって美味しい。

 女体山の霊水に行くには山沿いの細い道をたどることになるが、だいたい西麓あたりの急な坂道の途中に湧出している。女体山・高鳥山・薬師岳という三つの山に囲まれた、静かに点在する集落の中にある。
 このあたり、低山ながら武茂川や久那川が流れ那珂川へと注ぐ、豊かな森と水の地域であるが、知られた湧き水はきわめて少ない。そういう意味でも貴重である。地元の方のはからいに感謝しながら、清冽な水をいただきたい。

 
 ('12.05訪問)