water_sky’s waterbound diary

酒に溶かしたやり場のなさと打ち明けられた愛のあいだ、泥の川とディラックの海のあいだ

馬頭尊と子安観音

 今年のクイーンCも、名実共に未来の"クイーン"が現れるであろう充実の顔ぶれとなりました。阪神JF3着の快足レーヌミノル、アルテミスS2着の良血フローレスマジック百日草特別でのちに京都2歳Sを豪快に勝つカデナを競り落としたアドマイヤミヤビ。そしてこちらも良血ハナレイムーンと、素質と期待にあふれる女王候補たちです。しかし、その見据える先はこのレースを経て大きく二つに分かれそうな気配でもあります。
 牡馬を力でねじ伏せた期待のアドマイヤミヤビはオーナーサイドがオークスを意識する通り、現状そこまでスパッと切れる脚を持っているわけではありません。マイルの舞台でフローレスマジックの後塵を拝する場面は容易に想像できます。それが現在のオッズに示されててて…と思いきや、午前1時段階でハナレイムーンが1番人気に推されていてびっくり。まだ1戦1勝のお嬢様ですが、「素質と期待」の点ではもっとも秘めていると言っていいでしょうが、ある程度ペースの流れる展開にどう対応するのか… そこで気になるのはレース展開。前めの競馬で勝ち上がってきた馬が多いがいずれもスローペースでの勝利。そう考えると小倉1200で強い勝ち方をしたレーヌミノルがどうするのか、というところですが、去年の勝ち馬メジャーエンブレムと同じく末脚よりも行った行ったの競馬に強いダイワメジャー産駒、"ハーイじゃあいきますよー、よーいドン!"のお遊戯カケッコのお嬢様たちを出し抜くのだろうか。
 一応、前走ハイペースになり番手に付けて厳しいマークを受けながらも2着に粘ったアエロリットが、馬券のというかレースの軸になるんじゃないかと思って観ることにします。アエロリットの結果如何でこのレースのレベルがある程度推し量れるんじゃないかなと思います。クロフネといえば東京1600で滅法強かったホエールキャプチャクロフネの持つスタミナが東京1600の舞台で走りをアシストするんでしょうか。アエロリットがそれを受け継いで前々で押し切る画も描けそう。クロフネワンツーだって構わない。
 1戦1勝馬の中で前走とはガラッと違う戦法を繰り出してきそうなセイウンキラビヤカ、追い切り抜群のスズカゼ、前走距離短縮が奏功したアルミューテンなども脇役に甘んじることなく虎視眈々とスポットライトを狙っています。さあ、うんざりするような"女の戦い"を見せてくれ。陰湿と醜悪に支配された争いではなく、鮮烈に華麗なる戦いを。

 

栃木県茂木町、道端の斜面で、枯草に半ば埋もれかけて。