water_sky’s waterbound diary

酒に溶かしたやり場のなさと打ち明けられた愛のあいだ、泥の川とディラックの海のあいだ

不動の滝[常陸大宮市舟生]☆☆

 先日BSフジで「にっぽん名滝探訪」という番組が放送されて、日本三名瀑のひとつとして(のひとつとして)名高い(名高い)われらが茨城の袋田の滝が紹介されていました。毎度思うんですが、今の季節に袋田の滝が紹介されるとなれば、だいたい紅葉の新観瀑台からの眺めになるわけじゃないですか。…彩度上げ過ぎですよね笑 あすこまでカエデを真っ赤っかにすることねえじゃねえかと思うんですが、仕方ないポスターもそういう風に色づけしているから笑

 まあそんな話はいいとして、そういえば袋田の滝は今年もライトアップやってるんだろうか。と思って調べてみると、去年の暮れから今年1月いっぱいまで毎日やっているんですね。

www.daigo-kanko.jp

 昔は1、2月の土日祝日のみだとか、そんな感じだったような記憶なので。どれくらい昔かというと…。

 今回は、その時に撮った滝のご紹介でもしましょう。2009年ですから、ちょうど10年前のことです。

 

f:id:water_sky:20190107215504j:plain

不 動 の 滝

 

 袋田の滝、ではなくて常陸大宮市は旧山方町の山の中にひっそりと落ちる「不動の滝」です。袋田の滝に向かってR118を北上していくと、左手に小さな看板が立っているのを見たことがある方も多いと思いますが、水郡線をまたぐ細い道をたどっていった奥にあります。

 

f:id:water_sky:20190107221910j:plain

全 景


 落差は5m(現地の案内板では10m)ほどで水量も少なく滝としては大したことないですが、岩壁に不動明王がまつられ、滝のたもとには小さいお堂と燈籠がまつられており(いた:後述)、周りはしんとした森に囲まれて聖域としての厳かな雰囲気が漂っています。

 

f:id:water_sky:20190107223830j:plain

 

 滝は狭い谷に東向きに落ちており、周囲も森のため早々に日は差さなくなりますが、この日も夕方に訪れたため、ホワイトバランスがトチ狂ったのかやたら青みがかった、がために神秘的な滝の表情を写し撮ることができています。ま、そんなこと言うと冒頭で言った、袋田の滝は彩度上げ過ぎなんてこと言えなくなっちゃうんですけどね笑

 後日、久しぶりに滝を再訪した時(2017年)には、何と滝の左岸が崩落を起こしており、お堂と燈籠がなくなっていました。滝の形も心なしか変わったような変わっていないような…?

 

f:id:water_sky:20190107225109j:plain

  

*  *  *  *
 
 せっかくなので、その後行った袋田の滝の写真も載せてみましょう。
 
f:id:water_sky:20190107235702j:plain

f:id:water_sky:20190107235723j:plain

f:id:water_sky:20190107235741j:plain

f:id:water_sky:20190107235751j:plain

f:id:water_sky:20190107235801j:plain

f:id:water_sky:20190107235819j:plain

 …全体的に何ともいえぬ侘びしさが漂っているのは、撮影者の心境が宿っているからと考えてください。暗い。しかし10年なんて本当にあっという間だなあ。ついこないだとしか思えないのに。あの頃からいったい何が変わったのだろう…、それは、「あの頃からいったい何が変わったのだろう」というクリシェに重みがあるというのを知ったということだ。


 侘びしい気持ちが止まらなくなってきた、そんなときに聴きたいのが、モアシル・サントスの「Ouro Negro」。何で?って、年末に聴くとすごくしみるんですよ、侘びしさが募ってきてねえ。単に大晦日に聴いてたってだけなんですけど。この「Ouro Negro」はブラジルの大作曲家/サックス奏者のモアシル・サントスのトリビュート・アルバムで、「Ouro Negro Project」として多くの有名ミュージシャン(ブラジル音楽好きにはたまらない豪華アーティスト)が集った超名盤です。どの曲も豊潤なリズムとメロディに溢れ、音楽への喜びを思い出させてくれます。中でもDisc1の最後を飾る「Amalgation」が侘びしさ全開で最高。実に侘びしく情けない曲の開始からゆっくりと展開していき、ラストの解決にはもう大叙事詩的な感動で打ち震えます。それでは、よいお年を。松も取れたけどな!