water_sky’s waterbound diary

酒に溶かしたやり場のなさと打ち明けられた愛のあいだ、泥の川とディラックの海のあいだ

菅滝と隠津島神社[郡山市湖南町]☆☆☆☆

 
 神の棲む庭へ… ちょいとお邪魔しますよ
 



 
 
 福島の湧き水・弁天名水(http://d.hatena.ne.jp/water_sky/20161116/p1)の中で訪れた木幡山隠津島神社に関連しての付随的エントリになる。カテゴリとしては「福島の滝」。ここで福島の滝を紹介するのは初めてということになる。とはいえ、まずは郡山市湖南町の山中に鎮座する古社・隠津島神社へ向かいましょう。こちらは、延喜5(908)年から延長5(927)年にかけて編纂された延喜式の中の神名帳に記載のある「隠津島神社」の論社のひとつ(論社とは、「延喜式神名帳に載ってる神社はここじゃねえべか」と、同一視されている神社のこと。延喜式神名帳に記載されている式内社・隠津島神社も、ここと木幡山と郡山市喜久田と、三つの論社がある)。
 
 国道294号の西、猪苗代湖と羽鳥湖をつなぐように南北に走る一般県道235号沿いに鎮座。羽鳥湖側から北上していくと、山に囲まれた道の細さに心細さを抱え、そのさなかに突如として現れるので、なおのこと山奥の印象が強い。湖南町側からだと集落にも近く、昔からの参拝路といった趣も残る。
 


鳥居には「文化八年」の文字。実に1811年に建立されたものだ。まさに陸奥国の古社という雰囲気を醸し出している


隠 津 島 神 社

 
 境内の御由緒によると、貞観八(866)年筑紫国宗像大社より市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)、多紀理姫命(たぎりひめのみこと)、多岐津姫命(たぎつひめのみこと)の三女神を勧請した。旧社格は郷社。
 寛永年間(1630年ごろ)に「うちらの神社は式内社だっぺよ」という詮議があり、正徳元(1711)年に中御門天皇に「いいんじゃないですか」と式内社に認定されたとのこと。境内は15ヘクタールの深い原生林に囲まれ、県の保護保安林、天然記念物、環境保全地区、緑の文化財などに指定され、また福島県緑の百景に選定されている。
 ほかにも、三女神を勧請した際に筑紫国からの道案内をした付き人が役目を終えると蛇に姿を変え身を隠したという風穴や、烏帽子の形をした御神岩の烏帽子岩など、豊かな自然の地形の中に社を構えている。


 
 そして、境内の駐車場から少し歩いた道路沿いに、菅川一級河川猪苗代湖にそそぐ)にかかる「菅滝」がある。


 
菅 滝
 
 禊の場であり、かつ雨乞いの場でもあるという。落差は7メートルほどで、ナメ滝に近い形状ということもあり迫力で見せる滝ではない。「すげえ滝!」とはいかないものの、神域にひっそりと流れ落ちる良い雰囲気の滝。