water_sky’s waterbound diary

酒に溶かしたやり場のなさと打ち明けられた愛のあいだ、泥の川とディラックの海のあいだ

箱石の追猪の桜[二本松市岩代町]

 
 二本松市の旧岩代町にある「箱石の追猪の桜」。


2013年
 
 この桜、田舎の狭い道をたどりながら奥へ入っていって、どん詰まりみたいな土地にひっそりと立っている。桜の名前の由来も似たようなもので、この地、そしてこの木の根元にイノシシを追い込んで狩っていたという話から付いたそう。「箱石」というのはこの地の字名。
 山の木々に囲まれてあまり目立たないけれど、樹齢は300年足らずで元気よく、幹も太くてたくましい。二本松市には名高い桜が数多く存在するが、こちらは人知れぬ山奥に寂然と、しかし確固としてたたずむ渋いエドヒガンザクラである。


2013年
 
 ヴィクトリアマイルは、前走のイメージが強く頭に残っていたので、アドマイヤリードはあくまで対抗止まりにしてしまった。以前に見られたような馬体の細さ、頼りなさが消えて、マイナス体重だったにもかかわらず体幹がしっかりしていた。パドックでは加えて以前には見られなかったうるささが見え、これもマイル戦にはプラスに影響したのかもしれない。直線で馬の間を敢然と割って抜け出したアドマイヤリードには、頼もしさが宿っていて、僕はそれを観ながらアアアと声にならない叫びを上げながら頭を抱えた。馬券とは的中を期してではなく、自らの信に従いて買うものである。その局面で僕は、浅ましくも「当てに」走ってしまった。それは毎度のことだが、先週のNHKマイルCで気が大きくなっていたのである…。