water_sky’s waterbound diary

酒に溶かしたやり場のなさと打ち明けられた愛のあいだ、泥の川とディラックの海のあいだ

壁面観世音像(城里町)

 



頭の上にトカゲ。これは境内の中の名も無き石仏。

 壁面観世音像は、徳一大師という人が壁に一晩で観世音像を彫り上げるという念願に挑んだが、あと一息というところで鶏が鳴いて朝が来てしまい、完成をみなかった。がためにまさに画竜点睛たる目の部分が彫られておらず、「目つぶれ観音」といわれているという。それでこの辺り一帯は鶏を飼っていないらしい。どうせそこまで彫ったんなら最後まで彫れよ。って思うけど。
 観世音像の前にはお堂が建てられ、安産守護の壁像とされているそうで、以前伺った時には若い母子がお堂の中に入って参拝していた。地元の方はこうして参拝するのだとその時聞いたような聞かなかったような記憶もある。



撮影:2013年11月18日
 
 ここから少し離れた鶏足山にも、鶏の話は伝わっている。弘法大師がこの地で修行中、鶏の鳴き声がしたので、「こんな山ン中に鶏なんかいんのけえ」つってその鳴き声がした方に行ってみると、とさかの形をした岩があったので、きっとこいつが鳴いたんだな。とすげえことを言い出し、その岩を鶏石と名付け、その山を鶏足山と名付けたのだった。鶏足山から見る男体山、女体山の日光連山は、格別中の格別ですよ。ちょうど今から2月にかけて、いい時期だね。